R47
R47は日帰りから小屋泊(1-2泊)まで使える小型バックパックです。シーズンを通していつでも(4シーズン・7デイズ)使えるという意味を込めてR47と名づけました。
- 容量:18リットル(フロントポケット・サイドポケットを除く)
- 高さ:630mm(トップを開いて伸ばした状態)
- 幅:230mm
- 底部奥行き:145mm
- 背面長:430mm(トップとの境目から底部までの長さ)
- 重さ:470g(背面マット・ウェストベルト・フロントリフレクティブコード含む)
素材
- メインボディ:ECOPAK EPX200
- トップ:Sailcloth
- 窓:ULTRA 200
- ボトム:X-Pac VX21
- 左サイドポケット:X-Gridstop
※素材は在庫状況等で予告の上変更します。上記以外のプラスチックパーツ類、内部の素材・色は予告なく変更します。
制作ストーリー
20年以上前のことになる。まだ山の歩き方をよく知らない頃、屋久島で膝を痛めた。それ以降の山行は膝の痛みとの闘いだった。通院、筋トレ、ストレッチと思いつく限りの対策をしても痛みは出た。その頃は常にまた痛くなるんじゃないかという恐怖を背負いながら山に登っていた。あとできることは荷物の軽量化だった。
その頃は山の情報発信と収集はブログが中心だった。いくつかのブログを定期的に読み、そこに張られたリンク先を巡っていると出会ったのがRay-Way Backpackだった。
MYOGという言葉は知っていたがバックパックまで作ることができると知った時の衝撃は大きかった。登山好きの父はキスリングを使っていたのでバックパックといえばとても頑丈で重いものだと認識していた。膝の痛みに悩まされていた頃に使っていたバックパックは重さが2kgぐらいあるものだった。
Ray-Way Backpackは300g前後、そんなもので山を登れる訳がないというのが第一印象だった。しかし、実際それを作って山に登り、アメリカのトレイルを歩いている人のブログを読み終わった数日後、Ray-Way Backpackをオーダーし、家で眠っていた壊れたミシンを修理に出していた。
薄いナイロン生地を縫うのは初めてで何もかもがうまくいかなかった。試行錯誤を繰り返して完成したRay-Way Backpackを背負って折立から室堂までを2泊で縦走した。針と糸を持って行ったが、山行中に修理が必要になるということはなかった。
Ray-Way Backpackはとてもシンプルでそれで完成されている。Ray-Way Backpackに合わせた装備とスタイルを確立さえすればそれで足る。
しかし、Ray-Way Backpackを使い続けるうちに”自分でデザインしたバックパックで山を登りたい”という強い思いに駈られた。素材はあれで、色はあれがいい、こんな機能が欲しい、と考え出すとわくわく感が止まらなかった。
縦走用の中型バックパックを作る傍ら日帰りから日常使いができる小型バックパックの制作も進めた。様々な年齢層、様々な使い方をする人に使ってもらい、フィードバックを集約して完成したのがR47だ。
トップ
タックが入っているので、開けると上に向かってラッパ状に広がります。開口部が広いので中が見やすく、荷物の取り出しもしやすいです。
パッキングした後は巾着を閉じて口の部分をフロント側に丸め込んでベルトを止めてください。巾着のコードロックは平たくてボタンが押しやすくなっています。コードはマリン産業用のものでコシがあり絡まりにくいです。
ベルトとバックルは大きめで扱いやすくなっています。このベルトを利用して上に荷物やレインウェアを固定することもできます。このベルト部分を持ってバックパックを持ち上げないでください。背面に持ち手があります。
フロントポケット
フロントポケットにはハイキング中に使う物、例えば行動食、エマージェンシーキット、帽子、手袋、防寒着などを入れておくとすぐ取り出して使うことができます。
ポケットの入り口のサイズはゴムコードで調整できます。荷物の量に合わせてください。
フロントリフレクティブコード
取り外し可能な反射機能付きのゴムコードです。引き絞るとフロントポケットの荷物が暴れないように安定させることができます。真ん中のクリップは片側のコードが取り外せるので、フロントポケットの外側に濡れたレインウェアやヘルメットを挟み込んで固定するのに便利です。
オプションベルト
リフレクティブコードを通している4ヶ所のループにはオプションベルト(別売り)の取り付けが可能です。スノーシュー、ワカンなどをバックパックに装着することができます。
- テープ幅:25mm
- 最大長:520mm
- ベルトの上下間隔:125mm
R47に取り付け可能な25mmナイロンテープのベルトです。2本1組での販売になります。最大長、装着位置の間隔をご確認の上、お持ちのギアの装着が可能かお確かめください。
サイドポケット
正面から見て右側がメッシュのショートタイプ、左側がX-Gridstopのロングタイプのポケットになります。
ショートポケットに水筒や行動食を入れておくとバックパックを背負ったままでも取り出すことができます。手が届かない場合はショルダーベルトのアジャスターを緩めてバックパック本体を下げると取り出しやすくなります。
ロングポケットには長いものを入れると収まりがよいです。
水抜き用のハトメ穴がサイドポケットと本体の底にあります。
コードロックでポケットを絞って荷物がこぼれ落ちないようにできます。
フロントの窓
透光性のある生地(現在はULTRA200)を使っているのでバックパックの内部がほのかに明るく視認性の向上につながっています。
サイドコンプレッションベルト
荷物をパッキングした後、このベルトを引き絞ることで形を整え、荷物を安定させることができます。背中側に荷重が寄り、快適に背負うことができます。サイドポケットにトレッキングポール、傘などを差した場合このベルトに通して固定します。バックルは外しやすく止めやすいものを採用しています。
オプションループ
フロントと背面にそれぞれ4ヶ所、合計8ヶ所に10mmテープのループがあります。ゴムコードやガイラインを通してバックパックに入りきらない荷物を固定したり、熊すずや蚊取り線香などをぶら下げることができます。
ショルダー
バックパックは背中に密着させて背負ってください。アジャスターから伸びているベルトを下に引くとバックパックが上がり背中に密着します。アジャスターを手前に起こすとベルトが伸びてバックパックが下がります。引きすぎると肩が締め付けられるのでベルトの長さを微調整して背負い居心地のいい位置を探してみてください。
チェストベルトでショルダーベルトが肩からずれ落ちるのを防ぎ、背負い心地の調整ができます。長時間バックパックを背負っていると肩が痛くなります。チェストベルトを使うことにより緩和することが可能です。チェストベルトは位置を上下に移動することができます。脇の下辺りのラインが目安です。肺を締め付けないように楽に安定する場所を探してください。
ウエストベルト
バックパックを安定して背負うためのもので、荷重を腰で支えるためのベルトではありませんが、若干の腰荷重効果はあります。バックルを閉めてベルトを左右に引くとバックパックが背中に密着します。取り外しが可能です。ベルトが長いので街中などでの使用時には取り外しておくと安全です。
インナーポケット
内部にミニポケットがあります。キーフックがついているので大切なものを固定できます。
背面マット
背面にはバックパックの形を整え、背負い心地をよくするためのマットが入っています。 メンテナンスのために取り出すことができます。取り出す時、挿入する時は折り曲げると容易に出し入れができます。
※素材により制作過程でシワがよります。また、チャコペン等のマーキングが一部残ります。
※素材は防水素材ですが縫い目から浸水します。濡れてはいけないものは防水性のある袋に入れて、バックパックカバーを使ってください。
お手入れ
使用後は陰干しで乾燥させてください。少量の汚れは濡らした布などで拭き取ってください。汚れがひどく、ニオイが気になる時はマットを取り外してぬるま湯で押し洗いしてください。洗った後はよく水を切り、陰干しで乾燥させてください。生地は加水分解などで経年劣化します。湿気が多いと生地の劣化が早まります。使用しない時は風通しのいいところに保存し、定期的に陰干すると長持ちします。